『ペテロの葬列』 第4話 あらすじ&感想【ネタバレ注意】

 

「相関図」

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ペテロの葬列第4話~30年前の真実から悪の歴史へ 動き出した後継者争い     第4話は園田の過去にからめて、今多会長が事件に深くかかわっていたことを解き明かしていく回となっている。 一時期さかんに目についた“人材開発セミナー”という文字。もちろん今もあるのだが、一部のセミナーによる激しい研修内容は、時折テレビなどで紹介されており、その過激な内容に私は驚いたものだ。

1984年当時の、この話に出てくる『フェノミナ人材開発研究所』という会社で行われていたのは、自己啓発というより、“反省室”という名の鉄格子の付いた窓のある牢獄に、言う事を聞かない人間を押し込め、24時間スピーカーで自分たちの考えていることを流し続けるという拷問であった。 ここでは優秀な企業戦士を育てるというよりも、感情・プライドといったものを徹底的に叩き潰し、ただ自分(トレーナー)の言うがままに行動するロボットを製造することを目的としていた。

園田は耐えきれず、頭を壁に打ちつけて自殺を図ろうとし、その後一年間会社に出て来れなくなった。実態を知らなかったとはいえ、良かれと思って出した研修により、社員が一人殺されてしまうところだった。今多はなぜ園田を送り出してしまったのかと悔やみ、このグループを徹底的に糾弾しようと決めた。その後、当時のトレーナーだった男は、大阪でおこったマルチ商法事件に関与していたことが分かった。そんな会社に研修を任せていたとはと、今多は増々ショックを募らせる。

私が思うに、今多は園田の強情な性格を研修によって直してもらおうと考えていたのではないか。しかし自分が指名して送り出したことにより、彼女が自殺を図る事態に発展してしまった。これがきっと今多の心に大きな負い目を作ってしまったのだ。

「ST(センシティビティ・トレーナー)という怪物が、どう形を変えどこへ向かったのか、知っておきたい。その重要なヒントとなるものが、このバスジャック事件にはあると思う」 今多が放ったこの言葉こそ、物語のキーとなるものだ。 STなるものが、マルチ商法においての関わり、つまり捉えたカモにいかに売りつけるかの説得技術を教え込む悪意ある集団となった場合、非常にこわい存在になるというのがよく分かる。

ただ、男が数年後自殺し、杉村は誰かに殺されたのかと疑うが、今多はきっぱりと「自殺だよ。殺すほどの相手じゃない」と答える。しかし彼同様、私の背中にも冷っとするものが流れたのは何でだろう。

伏線として登場していた新聞配達員の足立則夫。今回、彼の仕事場に、ふいに高越勝巳が現れる。 彼は足立を締めあげて言う。「ホームレスだった頃のことを全部ぶちまけてやろうか。どんだけ人間の屑だったのか」。足立もまたマルチに関与していたのだろうか。 そして高越はその後殺され、重要参考人として足立が指名手配されることになる。

園田のことだが、今多会長が直々に会いに来て、「そのままでいい。園田はそのままでいい」と言ってくれたことに心の重荷を下ろし、何もなかったかのように出社する。 泣かせる言葉だ。自分のアイデンティティ崩壊の危機にあたり、「そのままでいい」と。そういえば最近ヒットした曲も「ありのままに」だったなぁ。 第4話にも絵が登場した。それがムンクの『思春期』。裸の少女の絵だが、どこか病的な表情をしている。生への不安や恐れを表現しているとのことで、『叫び』とテーマが似ているという。

井出は間野に、アンタ絵に似ていると言い、なぜかストーカーのように間野の周囲に表れる。怯える間野。 何を考えているのか分からない2人が、この先物語をどう引っ張って行くのか気になるところだ。