『ペテロの葬列』 第6話 あらすじ&感想【ネタバレ注意】

 

【相関図】

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第6話 母の愛と罪~新たな殺人の真犯人!バスジャック犯と人質の接点が明らかに

今回の見どころは2人の女性が、それぞれの数奇な運命を語るところだろう。

まずは高越の内縁の妻、井村絵里子。

高越は刺された体で新聞配達所に現れ、足立に抱き付くと「お前がやったんだ」と言って死んだ。驚愕のあまり足立はその場から逃げ、犯人とされたわけなのだが・・・。

北見の家で足立と会った井村は、「私が犯人です」と告白する。ではなぜ高越はわざわざ足立に会いに行き、そこで死ぬようなことになったのだろうか。

それは井村の生い立ちに秘密があった。彼女が小学2年生の時、両親は手形詐欺に遭ったことが原因で心中した。その後一人で生きて来た彼女は、働いていたキャバクラで高越と出会う。強引に押しかけて来た高越と暮らすようになり、子供が出来たのだが、どこか高越を信用しきれずにいて、結婚は踏み切れなかった。そんな時に足立からファイルを渡され、やはり高越は詐欺師だったのだと愕然としたのだ。そして口論となり、お腹の子を刺し心中すると言ってナイフを持ち出した井村と、止めようとする高越とが揉み合いになり、倒れた高越の腹にナイフが刺さってしまった。

不思議なのだが、高越は「救急車は呼ぶな。生まれてくる子の父親が母親に刺されたなんてマズイだろ。大丈夫だから。引け」と言ってナイフを井村に引き抜かせて処分させ、自分は足立に罪を被せるために歩いて配達所まで行ったのだった。

この高越と言う男は、詐欺師なのだが、優しい部分と冷たい部分とが混在していて、この男もまた生まれに複雑な要素があったのではないかと考えさせられる。

井村の生い立ちを聞くと「可哀想だ」と言って泣くかと思えば、平気で詐欺をする。

「詐欺だ、詐欺だって言うけど、お前もお前の親も貧乏くじ引かされたのを、俺が取り返してやってんだぞ」と言い、井村が「おかしいよ、そんなの。自分が騙されたから他の人を騙してもいいなんて」と返すと、「世の中そうやって回ってんだよ。食い物にされたくなかったら、騙すしかないんだ・・・」。

う~ん、この人の過去に何があったのだろう。この物語では多分やらないだろうけど、何か気になる。

それはともあれ、詐欺によって両親を亡くした彼女は人を騙す、ということが許せなかった。だから、高越の言ったとおりに嘘をつき、足立に罪を着せて周囲から同情を買う自分をもまた、許せなかった。嘘をつく罪の重さに耐えかね、苦しんでいたのだった。

ここにもペテロが一人いた。

それを聞いた足立もまた、告白する。「俺が高越を刺せば良かったんだ。刺し違える勇気もなくて。(ファイルを渡したのが)正しいことだなんて」

彼もまたペテロだ。

2人目の女性は、バスジャックされた時の乗客、迫田とよ子の娘、美和子だ。

とよ子はどうやら軽い認知症に係っていて、今は安定しているとのことだが、何やら訳ありの様子である。美和子の説明によれば、長年祖母の介護をしていたとよ子は、ゆくゆくは『クレステ海風』という設備の整った高級老人ホームに祖母を入れてあげられたら、と思い、つつましく暮らして貯めた金など持てる金すべてを準備金として用意していた。そして空きが出るまで待つ間に、生活費で切り崩される金を何とか補充しようと、日商フロンティアの詐欺に引っかかってしまったのだ。

実はこのシーン、“橋田壽賀子ドラマか!”と言いたくなるような、とても長く、圧巻な台詞回しなのである。それをあたかも何でもないかのように、しかも淡々とした演技で言ってのけるこの女優さんに、私は感心してしまった。舞台女優さんだろうな、と思って調べたら、やはりそうだった。(しかも有名なドラマに結構出ていた)。

杉村は彼女が暮木を知っているのではと感じる。そして尋ねると「知ってました」と。

新たな展開が始まり、次回へと続いていく。

忘れてならないのは、間野がらみのこと。

まずは井出のセクハラを杉村に相談し、園田に注意してもらった件。どういう理由なのか、井出は副編(杉村)からパワハラを受けたと、労連へ訴え出た。なにか裏でありそうだ。

それから菜緒子が元エステティシャンだった間野を家に呼び、顔のエステをしてもらうのだが、その時のふたりの会話が意味深なのである。

菜緒子が、杉村が他人に親切なことに不満を漏らすと、「いらないなら私が貰っても?」と間野は言う。一瞬菜緒子はヒヤッとしたはず。間野は女として魅力的だから。本気で来られたら、マズイと思ったはずなのだ。

女同士の火花が散ったのが、私には見えた。杉村との仲はどうなっていくのか。